ネットショッピングをよく利用するあなたなら、一度は佐川急便から不在通知のメールを受け取ったことがあるのではないでしょうか?
「お荷物をお届けに上がりましたが、ご不在のため持ち帰りました。ご都合の良い日時を指定して、再配達を依頼してください」
そんな内容のメッセージが届くと、ついリンクをクリック・タップしてしまいがちですが…
ちょっと待ってください!
その、再配達案内はフィッシング詐欺かもしれません!
最近、配送業者を装った フィッシング詐欺メールやSMSが急増しており、巧妙な手口で個人情報を盗み取ろうとしています。
実際に私も先日、「重要: 佐川急便 配達状況の更新.」という件名の、佐川急便を装ったフィッシング詐欺メールを受け取りました。
メールをよく見ると、本文やメールアドレス、リンク先URLに不審な点が…。
このブログ記事では、私が実際に受け取ったフィッシング詐欺メールの実例を元に、佐川急便のフィッシング詐欺を見分けるポイントと、被害に遭わないための対策を、分かりやすく解説していきます。
佐川急便がフィッシング詐欺の標的にされやすい理由とは?
「佐川急便」は、国内最大手の配送業者として、多くの人が日常的に利用するサービスです。
しかし、その知名度と利用者数の多さゆえに、フィッシング詐欺の格好の標的となっているのです。
なぜ、佐川急便は、フィッシング詐欺に狙われやすいのでしょうか?
その背景には、以下のような理由が考えられます。
1. 荷物追跡サービスの利用増加
近年、ネットショッピングの普及に伴い、佐川急便の荷物追跡サービスを利用する人が急増しています。
多くの人が日常的に利用するサービスは、それだけフィッシング詐欺のターゲットとなるユーザーも多いことを意味します。
犯罪者にとって、より多くの被害者を狙えるという点で、佐川急便は魅力的な標的と言えるでしょう。
2. 不在通知や再配達料金は「クリックしたくなる」心理を突く
佐川急便からの不在通知を受け取ると、「早く荷物を受け取りたい」「再配達の手続きをしなければ」という心理が働きます。
フィッシング詐欺メールは、この心理的な焦りを利用し、偽のリンクをクリックさせようとするのです。
また、メールに書かれている再配達料金の支払いを求められたらどうしよう…という不安も、フィッシング詐欺に騙されやすくなる要因の一つと言えるでしょう。
3. 被害は個人情報流出だけじゃない!
佐川急便のフィッシング詐欺メールに騙されてしまうと、以下のような被害に遭う可能性があります。
- 個人情報の流出:
氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が盗まれ、悪用される - 金銭的な被害:
偽サイトでクレジットカード情報を入力させられ、不正利用される - ウイルス感染:
偽サイトにアクセスすることで、パソコンやスマートフォンがウイルスに感染する
フィッシング詐欺の被害は、個人情報流出だけにとどまらず、金銭的な被害やウイルス感染など、深刻な事態に発展する危険性もあるのです。
佐川急便のフィッシング詐欺メールの実例を公開!
本当に佐川急便からのメール? それとも、巧妙な偽物…?
フィッシング詐欺メールは、ますます巧妙化しており、見分けるのが難しくなっています。
実際に、私が受け取った佐川急便のフィッシング詐欺メールを実例に挙げながら、その危険なポイントを具体的に見ていきましょう。
まずはメール全体をチェック!
まずは、私が実際に受け取ったフィッシング詐欺メールのスクリーンショットをご覧ください。
佐川急便 配達通知
お客様へ、
お知らせいたします。 お客様の荷物(追跡番号: 4001-6064-9718)を配送しようとしましたが、再発送するには110円を支払う必要があります。
再配達と料金の支払い
配達予定日: 2024年08月23日
48時間以内に対応いただけない場合、お荷物は発送元に返送されます。
サポートが必要な場合やお問い合わせがございましたら、カスタマーサービスまでお気軽にご連絡ください。
佐川急便をご利用いただき、ありがとうございます。
敬具、
佐川急便チームより
ご不明点がございましたら、お問い合わせください。
お問い合わせ先:
電話番号: 0120-189595
営業時間: 9:00 ~ 18:00
月曜日から金曜日(祝日を除く)
メール: goal_gcc@sagawa-exp.co.jp
件名は「重要: 佐川急便 配達状況の更新.」、差出人名は「佐川急便株式会社」と表示されています。
本文には、荷物の追跡番号が記載されており、一見すると本物の公式のメールのように見えます。
また、佐川急便のロゴマーク、問い合わせ電話番号、営業時間、メールアドレスなどが記載されており、公式情報も巧みに利用しています。
しかし、このメールには、いくつかの怪しい点が見られます。
- メールアドレスが怪しい
- 不自然な日本語表現
- 不審な料金請求
- リンク先URLの確認不足
危険ポイント①:メールアドレスが怪しい!
まず注目すべきは、送信元のメールアドレスです。
今回のフィッシング詐欺メールでは、「redelivery.sagawa-exp.co.jp@sagawa-expo-support.shop」というメールアドレスから送信されていました。
佐川急便の公式ウェブサイトで確認すると、案内メールは以下の通りになります。
- info-ptl@sagawa-exp.co.jp
- info-nimotsu@sagawa-exp.co.jp
- info@ds.sagawa-exp.co.jp
上記以外では、フィッシング詐欺を疑いましょう。
参考:
また、フィッシング詐欺メールでは、公式アドレスと全く同じアドレスを偽装しているケースも少なくありません。
そのため、メールアドレスだけで判断せず、他の点も総合的に見ていく必要があります。
危険ポイント②:不自然な日本語表現
次に、メール本文の日本語表現に注目してみましょう。
「お知らせいたします。お客様の荷物(追跡番号: 4001-6064-9718)を配送しようとしましたが、再発送するには110円を支払う必要があります。」
この文章、どこか不自然に感じませんか?
特に、「配送しようとしましたが、再発送するには」という表現は、自然な日本語とは言えません。
フィッシング詐欺メールでは、海外の犯罪組織が作成しているケースもあり、機械翻訳のようなぎこちない日本語が使われている場合が多く見られます。
危険ポイント③:不審な料金請求
今回のフィッシング詐欺メールでは、「再発送するには110円を支払う必要があります」と記載されています。
しかし、現時点(2024年11月12日現在)では、佐川急便は再配達料金を請求しておりません。
もし、このような不審な料金請求が記載されている場合は、フィッシング詐欺を疑いましょう。
危険ポイント④:リンク先URLの確認不足
フィッシング詐欺メールには、偽のウェブサイトに誘導するためのリンクが仕込まれていることがほとんどです。
今回のメールには、「48時間以内に対応いただけない場合、お荷物は発送元に返送されます。」という文言で、読者に焦燥感を与え、偽サイトへのアクセスを誘導する可能性があります。
メール本文にURLが記載されている場合は、安易にクリックせず、以下の点を確認しましょう。
- ドメイン名(URLの「//」より後ろの部分)が、佐川急便の公式ウェブサイトのドメイン名(sagawa-exp.co.jp)と一致しているか
- URLに不審な文字列が含まれていないか
怪しい、または不明点がある場合は、パソコンについて詳しい人に相談するのがおすすめです。
佐川急便のフィッシング詐欺メールを見分ける3つのポイント
佐川急便に限らず、フィッシング詐欺メールは巧妙に偽装されており、見分けるのは簡単ではありません。
しかし、いくつかのポイントを押さえて注意深く確認すれば、本物と偽物を見分けることは可能です。
この章では、佐川急便のフィッシング詐欺メールから身を守るための、3つの具体的な対策を紹介します。
- 送信元アドレス
- メール本文
- リンク先URL
1. 送信元アドレス: 「@」の前後まで厳しくチェック!
怪しい迷惑メールが届いた場合は、メールの送信元アドレスをチェックしましょう。
フィッシング詐欺メールでは、公式のアドレスに似せた偽アドレスが使われていることがほとんどです。
しかし、公式アドレスと全く同じアドレスを偽装しているケースもあるので、注意が必要です。
送信元アドレスを確認する際は、以下の点に注意しましょう。
- ドメイン名:
佐川急便の公式ドメインと一致しているか、不自然な文字列やスペルミスがないかを確認しましょう。 - 「@」の前後:
「@」マークの前後にも注目し、不審な文字列や記号が含まれていないかを確認しましょう。 - 差出人名:
送信元アドレスと差出人名が一致しているかを確認しましょう。
少しでも怪しいと感じたら、本文中のURLをクリックせず、佐川急便の公式ウェブサイトでフィッシング詐欺の情報が掲載されているかを確認しましょう。
- info-ptl@sagawa-exp.co.jp
- info-nimotsu@sagawa-exp.co.jp
- info@ds.sagawa-exp.co.jp
2. メール本文: 不自然な日本語や緊急性を煽る表現に注意!
次に、メール本文の内容をチェックしましょう。
フィッシング詐欺メールでは、以下のような特徴が見られることがあります。
- 不自然な日本語表現:
機械翻訳のようなぎこちない日本語が使われている - 誤字脱字が多い:
誤字脱字が多い、または句読点の使い方がおかしい - 緊急性を煽る表現:
「今すぐアクセスしないと損をする!」など、焦らせて行動を促す言葉遣い - 不審な料金請求:
佐川急便は、メールで再配達料金の支払いを求めることはありません。
もし、そのような請求があった場合は、フィッシング詐欺を疑いましょう。
これらの特徴に当てはまる場合は、フィッシング詐欺メールである可能性が高いです。
3. リンク先URL: 公式アプリやウェブサイト以外からのアクセスは厳禁!
フィッシング詐欺メールには、偽のログイン画面などに誘導するためのURLが記載されていることがほとんどです。
安易にURLをクリックしないように注意し、もしクリックしてしまった場合は、絶対に個人情報や佐川急便のログイン情報を入力しないようにしましょう。
佐川急便の公式アプリやウェブサイトを利用していれば、このようなフィッシング詐欺のリスクを大幅に減らすことができます。
GoogleやYahoo検索、ブックマークからアクセスするのもおすすめです。
佐川急便のフィッシング詐欺に遭ってしまったら…落ち着いて被害拡大を防ぐ!
ここまで、佐川急便のフィッシング詐欺メールの見分け方について解説してきましたが、万が一、フィッシング詐欺の被害に遭ってしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
もしかして、偽サイトにアクセスしてしまった…
個人情報を入力してしまった…
そんな時でも、落ち着いて行動することが大切です。
パニックにならず、以下のステップに沿って対処しましょう。
- 落ち着いて状況を把握する
- カード会社に連絡
- パスワードを変更
- 警察に相談
ステップ1:落ち着いて状況を把握する
まずは落ち着いて、具体的にどのような情報をフィッシング詐欺サイトに入力してしまったのか、確認しましょう。
- 入力してしまった情報:
氏名、住所、電話番号、メールアドレス、クレジットカード情報、佐川急便の会員ID・パスワードなど - アクセスしたフィッシング詐欺サイトのURL
- フィッシング詐欺メールを受信した日時
これらの情報をメモしておくと、後の手続きをスムーズに進めることができます。
今回のフィッシング詐欺は、クレジットカード情報を盗み取る詐欺でした。
ステップ2:カードに連絡! 被害状況を報告しよう!
佐川急便のフィッシング詐欺に遭った可能性がある場合は、すぐにクレジットカード会社に連絡しましょう。
クレジットカード会社の公式ウェブサイトには、フィッシング詐欺に関する注意喚起と、被害に遭った場合の連絡先が掲載されています。
電話で連絡する場合は、公式ウェブサイトに記載されている電話番号にかけましょう。
ウェブサイトから連絡する場合は、お問い合わせフォームを利用するか、フィッシング詐欺専用の報告窓口があれば、そちらを利用しましょう。
クレジットカードを凍結してもらい、被害の拡大を防ぎましょう。
ステップ3:パスワードを変更! 他のサービスでも使い回しは厳禁!
フィッシング詐欺サイトで佐川急便の会員IDやパスワード、または他のサービスのID・パスワードを入力してしまった場合は、すぐにパスワードを変更しましょう。
同じパスワードを複数のサービスで使用している場合は、それぞれのサービスでもパスワード変更をおすすめします。
ステップ4:警察に相談! 被害状況を説明し、必要な手続きを行いましょう
クレジットカード情報や住所、氏名などの個人情報を入力してしまった場合は、警察に相談しましょう。
被害状況を説明し、必要があれば、被害届を提出しましょう。
警察に相談することで、今後の対策や、被害回復のためのアドバイスを受けることができます。
佐川急便のフィッシング詐欺から身を守る対処法のまとめ
今回は、佐川急便を装ったフィッシング詐欺の手口から、具体的な対策、そして万が一被害に遭ってしまった場合の対処法まで、詳しく解説しました。
改めて、佐川急便のフィッシング詐欺から身を守るために、重要なポイントを3つおさえておきましょう。
- 佐川急便のフィッシング詐欺は他人事ではない!
- ネットショッピングを利用するすべての人が、フィッシング詐欺の標的になる可能性があります。
- 「自分は大丈夫」という油断を捨て、日頃から警戒を怠らないようにしましょう。
- 佐川急便は、SMSで不在通知や再配達料金の請求は行わない!
- 佐川急便を名乗る不審なSMSが届いたら、それはフィッシング詐欺です。
- 安易にURLをクリックしたり、個人情報を入力したりしないようにしましょう。
- フィッシング詐欺を見分けるポイントを覚え、適切な対策を!
- 送信元アドレス、メール本文、リンク先URLなどを注意深く確認しましょう。
- 公式アプリやウェブサイトを利用する、セキュリティソフトを導入するなど、日頃から対策をしておくことも重要です。
佐川急便は、私たちの生活に欠かせない便利なサービスですが、その裏では、フィッシング詐欺のような脅威も潜んでいます。
しかし、正しい知識と対策を身につけることで、フィッシング詐欺から身を守り、安全に佐川急便を使い続けることができます。
このブログ記事を参考に、ぜひ、フィッシング詐欺の被害から身を守り、安心できるデジタルライフを送りましょう。